後期高齢者医療保険、75歳以上の方の医療保険ですが、窓口で支払う医療費負担を2割に引き上げる動きが報道されています。
現在、一般の方が1割負担、現役並み所得の方が3割負担となっていますから、1割から2割への引き上げでは、高負担を気にして、受診を控えることになりかねません。手遅れ受診が心配されます。2017・18年度に神奈川県後期高齢者医療広域連合の運営をチェックする議員をしていましたので報告します。
高齢者を中心に、2割化反対の声が大きくなっており、2018年8月の議会に、医療費窓口負担2割化の検討を中止し、原則1割負担の継続を求める意見書を提出してほしいと陳情が出され、2019年3月の議会にも医療費窓口負担の現状維持を求める意見書提出陳情が出され、採択を主張してきましたが、不採択となっていました。
今期は北谷まり市議が選出され、8月28日に開かれた第2回定例会を傍聴徴したところ、またも陳情が不採択に。神奈川県広域連合も加わっている全国広域連合協議会は、この6月に、国に「制度の根幹である高齢者が必要な医療を受ける機会の確保という観点から現状維持を基本とすること」と、行政サイドも表明しているのに、議会が不採択とするのは、残念なことです。
国が閣議決定した「改革工程表」の2017年版では、窓口2割負担とした70~74歳の段階的引き上げの実施状況等を踏まえつつ検討していくとし、結論を出していませんでしたが、「改革工程表」の2018年度版では、2020年の骨太方針に盛り込む予定とされ、参議院選挙後のここにきて、議論が加速化します。
年金が減らされ、消費税10%増税に加え、これまであった保険料の特例軽減措置が廃止され、窓口負担も2割になれば、介護保険負担増とともに高齢者の厳しい暮らしにさらに追い打ちをかけます。窓口負担2割への引き上げストップに力を合わせます。