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3月22日、横浜市会では予算特別委員会の総合審査が行われ、日本共産党からは古谷やすひこ党市議団長(鶴見区選出)が登壇。中学校のいじめ自殺問題などについて、鯉渕教育長や山中竹春市長らに質問しました。
2020年に市立中学2年生が自ら命を落としたことについて、市第三者委員会は「いじめが原因」と認定し、市教育委員会に、再発防止策の徹底を求めています。
再発防止策の点検されていない
現場フォローの強化と少人数学級推進を
古谷議員は、これまでもいじめ重大事案が起きるたびに、再発防止策が発表されてきたが、対策が実行されてきたのか点検ができていないと指摘。市長自らが市教委が立てた対策の総点検を行うことが必要だと述べました。
また、市立小中学校の不登校生徒が8,170人と急増しているが、市教委が把握しているいじめを原因とした不登校事例は、昨年1件だったことを示し、これは現実を反映したものなのかと述べ、いじめ防止対策推進法※が示している正しい認識をもとに実態把握をやり直すよう求めました。
その上で、2度と今回のような悲劇を繰り返さないためには、多忙を極める学校現場をフォローする体制強化は必須だと述べ、全市で4か所しかない学校教育事務所を区ごとに増やすことや、10校に一人しかいないSSW(スクールソーシャルワーカー)の増員と処遇の改善を行うよう要望。また、いじめが起きない環境整備に向けて、一人ひとりに目が届きやすい少人数学級の推進、通知票の評価を競い合わされる教育ではなく、児童生徒が尊重される学校づくりをするよう求めました。
点検の徹底を指導…市長答弁
山中市長は、「横浜市いじめ防止基本方針が徹底できていなかったことが大きな課題の一つであると考えている。再発防止策の進捗について改めて点検を徹底して、二度とこのような事態を起こさぬよう教育委員会に対して強く指導した」と答えました。
鯉渕教育長は、「いじめ原因の不登校生徒数については、国の調査によるもので、今後より実態に即した把握ができるよう見直しが図られると聞いており、その方向で対応をしていく」と答弁。学校教育事務所を区ごとに設置することについては、「効率的な情報共有や意思決定の統一性などの観点から難しい」「学校教育事務所の指導主事の専門性の向上や、学校自身の対応力を高めるための支援を行うことで、学校支援の充実につなげていく」と述べ、SSWについては、「相談件数が年々増えており、財政措置や処遇改善について国に要望しつつ、対応しいく」と答弁しました。