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横浜市会では1月30日から第一回定例会が開催されています。2月9日は、現年度議案関連質問が行われ、宇佐美さやか議員(神奈川区選出)が登壇。大企業に多額な助成金を配る企業立地促進条例の延長について他、女性福祉相談員は正規雇用に、上瀬谷土地区画整理の「調整池」事業に関わる問題、特別支援学校などの性被害の根絶について、山中市長に質問しました。
企業立地促進条例の内容を一部変更して、4年間延長することが提案されています。日本共産党議市議団は、本条例が提出された当初から反対しつつも助成金最大限度額の引き下げや、認定対象事業の見直しなど様々な改善提案も行ってきました。今回の変更点は、助成金の最大限度額を50億円から30億円に引き下げることや、本社やホテル立地に関しては、助成率を10%から5%とし、助成金の上限を50億円から10億円に引き下げられます。
企業立地のインセンティブ乏しいのでは
宇佐美議員は、最大50億円の助成額だった時点で、市内雇用が増えたのか、立地先周辺への経済波及効果があったのか、市内中小企業への優先発注をどれくらい行ったのかなどの、客観的なデーターが示されておらず、企業任せとなっていることは問題だと述べました。
また、昨年山中市長は、党市議団の質問に「本条例のインセンティブは企業の立地場所の選定に大きな役割を果たしている」と答弁しましたが、その答弁の根拠となっているのは、誘致され、助成を受けた企業からとったアンケートであり、認定を受けず立地した企業も含めてアンケートをとったとしたら、同じ結果になったかと疑問を呈しました。
その上で宇佐美議員は、「財政が厳しい」と市民に言いながら、企業立地のインセンティブとして決め手となっているとはいえない事業に多額の税金を投入し続けることは、もうやめるべきではないかと提案。さらに、企業側が横浜に立地したいという魅力を感じてもらえる様に、大学や様々な研究機関などを支援し、人が持つ能力を育てる環境整備をしていくことを要望しました。
山中市長は、平成17年度から令和4年度までの累計で本条例による税収額は、約777億円支援額である約472億円を約305億円上回る成果を出していると述べ、今後も本条例を活用して企業誘致を進めていくと答えました。また、約16万人の研究者や技術者及び、9校の理工系大学を有することなど豊かな人的資源が本市の強みであり、企業から立地場所として選ばれている。 企業立地促進条例の支援によりグローバル企業の研究開発拠点などを魅力的な雇用の場を創出して人を育てる環境を生み出す好循環につなげていくと述べました。