日本共産党横浜市議団は、8月19日、大テーマパーク構想でゆれる上瀬谷通信基地跡地の現場視察を行いました。
首都圏に残された貴重な緑の大地
横浜市瀬谷区と旭区にまたがる同跡地は、2015年6月に返還された農地、樹林地、草地など面積約242㌶(東京ドーム約52個分)に及ぶ首都圏に残された貴重な緑の土地です。
突然の大テーマパーク構想
横浜市は2006年に農業促進、環境再生、防災の拠点にするとした米軍施設跡地利用指針をつくりました。ところが、今年3月に策定した「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画」は、当初指針とはかけ離れたものになっています。
年間1500万人の来場を目指すとして、跡地面積の半分以上をテーマパークを核とした「観光・賑わいゾーン」に指定しました。年間1500万人という規模は、東京ディズニ―ランド並みです。
渋滞の要所 追い打ち
来場者の半数750万人は車を想定しています。一日1万台を収容する東京ディズニーランド級の駐車場が必要になります。同跡地への車の主要動線は八王子街道と保土ケ谷バイパス、環状4号線です。現状でも渋滞が激しい道路です。渋滞の更なる悪化は避けられません。また、想定台数を受け入れるには道路拡張の整備が必要で、莫大な費用がかかることになります。
わずか2.6㌔に新鉄道
700億円の事業費
車以外の半数750万人の移動手段として、相鉄線の瀬谷駅から同跡地までの2.6キロをつなぐ新鉄道「上瀬谷ライン」の整備計画が発表されました。2022年に事業着手し、2027年に同跡地で開催予定の国際園芸博覧会に合わせて開通させる見通しです。
路線の7割は地下を通すため、事業費は700億円にのぼり、建設費の半分を横浜市が持つ検討がされていると報道されています。起点駅の敷地は、相鉄線の瀬谷駅に隣接する市立瀬谷中学校を移転させて確保する動きが進んでいます。
コロナ前に立てられた過大計画
立ち止まって見直しを
計画はコロナ前に立てられたものです。党市議団は、一度立ち止まって、アフターコロナの視点で見直しを行うよう求めていきます。
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