横浜への進出を狙っていた米IRカジノ事業者のウィン・リゾーツが、8月2日に国内の拠点としていた横浜オフィスを閉鎖すると発表しました。ウィンは閉鎖の理由について「パンデミックは統合型リゾート開発にかつてない悪影響を及ぼしており、ウィン・リゾーツのようなリゾート企業はパンデミック後の市場に合わせてどのように事業を進化させていくかを検討している」と説明。日本でのIRプロジェクトについては引き続き関心があると表明していますが、拠点オフィスの閉鎖は事実上の撤退と見られています。5月のIR最大手の米ラスベガス・サンズに続いての撤退となります。
残るはアジア系のカジノ事業者
横浜市は昨年11月にIRカジノの誘致に向け、7社から事業提案を受けていましたが、残っているのはアジア・華僑系の本社を香港におくギャラクシー、メルコと、マレーシアにおくゲンティンと日本のパチンコメーカー大手のセガサミーと非公開の一社。ギャラクシーとメルコは中国政府と深い関係にある事実が指摘されています。ゲンティンはシンガポールのIRへの追加巨大投資で苦しんでいます。
林文子市長
IR実施方針 8月公表「難しい」
林文子市長は、今年6月に公表するとしていた横浜IR実施方針を8月に延期しましたが、国による基本方針の策定が遅れていることなどを理由に8月公表は難しいと7月29日の記者会見で述べています。実施方針がつくれなければ、事業者募集・選定作業に入ることもできません。
しかし、林市長は、カジノ誘致をやめるとは言っていません。6月の市議会答弁でもコロナ後の景気回復のエンジンにしたいなどと述べています。ポストコロナ社会の模索が始まる中、3密ビジネスの極致であるIRカジノに横浜の未来を託して良いのでしょうか。
カジノ是非を問う住民投票署名9月4日から
カジノの是非を決める横浜市民の会は、住民投票の実施を求める署名を9月4日から開始すると発表。11月4日までの期間に50万筆を目標に集めていくとしています。
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