横浜市会では5月23日(木)、市長が提出した議案への関連質問が行われ、北谷まり議員(保土ヶ谷区選出)が登壇し、林文子市長が前のめりになっている新たな劇場整備について等質問しました。
わずか一年で急発進
新たな劇場整備について、2018年10月策定の中期4か年計画で、整備に向けて検討することが盛り込まれ、2018年度予算で、整備検討調査を民間シンクタンクに依頼し、その報告書が2019年2月28日に提出されました。そして今議会で、整備検討を目的とした検討委員会(12人)を設置する議案が提出されました。
なぜオペラ・バレエなのか
北谷議員は、なぜ横浜にオペラとバレエに特化した劇場が必要なのか、整備を必要とする根拠はどこにあるのかと迫りました。
矛盾した調査報告書
民間シンクタンクが作成した報告書の内容は、一方では劇場不足を訴え、他方では実演団体は多くなく、自主公演もほとんどないと矛盾だらけの説明がされていると指摘。文化芸術の醸成は「箱物」ありきではなく、コンテンツ、文化事業をどうしていくのかをまず市民に示し、文化・芸術団体への財政的支援を強化するなど、時間をかけて醸成を図るものだと主張。
費用対効果や設置の意義に疑問
また、報告書の開発事業者等ヒアリングでは、オペラ・バレエのマーケットは厳しい、オペラ・バレエだけでは施設稼働は確保できないなど、費用対効果や設置の意義に疑問がだされています。さらに中期4か年計画の2129件のパブリックコメントでも劇場に触れているのはわずか8件しかありませんでした。
まずニーズ調査を
北谷議員は、市の計画では、劇場整備が既定路線のごとく記述されているが、市民に周知されておらず、関心も低いと指摘。このような状況から、整備ありきではなく、本当にオペラ・バレエ等の上演を市民が望んでいるのかどうか、検討委員会設置の前にニーズ調査をするべきと提案。その上でニーズ調査の結果を踏まえて整備が必要か否かを改めて検討することが必要だと述べました。
林市長は、新劇場はオペラ、バレエが中心になるが、それだけではない。374万人都市として、劇場がないのは異例の状態だ。観劇やコンサートに行く市民の多くは東京に行くが、それは横浜で見れる場所がないからだ。国際都市としてやらなくてはいけない。世界レベルのものが横浜にあることを世界に示したいなどと答弁しました。