「企業主導型保育事業」は、
22日に行われた横浜市本会議では、市長が提出した議案等に対する採決が行われました。採決に先だち、岩崎ひろし議員(戸塚区選出)が「企業主導型保育事業」を推進する議案などに、反対の立場で討論を行いました。
会社がつくる保育園
「企業主導型保育事業」は、平成28年度から始まった国の事業で、「会社がつくる保育園」と言われる「認可外保育施設」のことです。認可外ですが、国から、運営費・整備費の助成金が出るのが特徴です。事業を行う企業は、認可保育所並みの助成金を受けるので、市の認可を受ける必要がなく、「届け出る」だけで保育施設を設置できます。
また、利用者は、企業との契約だけで認可保育所並みの保育料で利用できます。
安倍政権の待機児童解消の切り札
安倍政権は、待機児童解消の切り札として特に力をいれています。全国的には、2017年3月30日現在で、871施設、定員20,284人に対する助成が決まっています。さらに予算を大幅に増やし、定員枠7万人とする目標を掲げています。横浜市内でも、すでに21か所、定員合計428人規模で展開されています。
税金を3分の1とする優遇
林文子市長は「企業主導型保育事業」は「待機児童解消に資する」として、事業用地・施設の固定資産税・都市計画税を3分の1へと減税するとしています。
保育士資格者が基準の「半数」でも良し
しかし、保育士の配置基準は、保育士が保育従事者の2分の1で良いとされ、保育室の面積や庭園面積の厳守基準はありません。子どもが19人以下の場合は、調理室は不要、0才から5才児が同部屋で一括保育が可とされていて、認可保育所の設置基準とは程遠いもので、「保育の質」に関わる問題が山積みです。
国は調査・指導指針も示さず
林市長は、先日の本会議で「保育の質を担保できるのか」との党市議団の質問に、「国及び市が、年一回、立ち入り調査による指導等を実施して保育の質を図る」と答弁しましたが、国は、現時点で、立ち入り調査や指導等の指針を示せていません。
待機児童解消は、認可保育園を軸にすべき
岩崎議員は、そもそも保育の実施は、児童福祉法で定められた自治体の「責務」であり、「企業主導型保育事業」は、実施主体が自治体ではなく、「企業」であるという点で、児童福祉法に矛盾するものだと指摘。その上で、子ども達の健全な成長と発達を考えるならば、待機児童解消は認可保育園を基軸に進めるべきだと主張しました。
採決の結果、賛成多数で市長提出議案は、全て採択されました。
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